【第2弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を4つ紹介

ダージリン

【第2弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を4つ紹介

ダージリン紅茶を選ぶとき「茶園」と言えば、シーズン(収穫時期)に並んで最も重要なポイントです。ダージリン地方では、実に80を超える茶園があるのです。

この記事ではダージリン地方の特徴、そんなダージリン地方の中で特に有名な茶園を4つ紹介し、紅茶の品種についても少し触れます(品種の話は若干マニア向けの内容です)。

ダージリンは茶園によって香りや特徴が違う

ダージリンは茶園によって香りや特徴が違う

ダージリンは、インド北東部の山岳地帯「ダージリン地方」で栽培される紅茶です。霧や季節風の影響を強く受け、同じダージリンという紅茶でも茶園や季節ごとにオリジナリティーのある香り・味わいに変化します。

前回の記事『【第1弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を3つ紹介』では、キャッスルトン茶園・マーガレッツホープ茶園・ジュンパナ茶園を紹介しましたが、今回はこれらの茶園に匹敵する有名茶園である「タルボ茶園」「グームティー茶園」「アルバリ茶園」「マカイバリ茶園」を紹介します。

ダージリンの茶園を紹介

ダージリンの茶園を紹介

タルボ茶園

タルボ茶園は高いところで1900mにも至る高い標高に位置する茶園です。アッサム交配種や中国交配種、クローナル種まで様々な品種のダージリンを栽培している茶園で、とても高品質なダージリン紅茶を生産することから日本でも人気の高い茶園です。

タルボ茶園は、『【第1弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を3つ紹介』で紹介した有名茶園「キャッスルトン茶園」「マーガレッツホープ茶園」と同じで、イギリスのグッドリック社がオーナーをしている茶園としても知られています。
「タルボ」という名前の由来は、過去に大火事を免れたことから「救われた地」という意味であったり、昔イギリスの兵士がキャンプをしたことから「キャンプ」の意味があるなど諸説あるようです。

【コラム】幻のムーンライト
ダージリン紅茶の中には「ムーンライト」と呼ばれる特殊な等級があります。これは「まだ月明かりが出ている夜明け前に収穫された茶葉」を表し、水分が豊富な状態で収穫できるため酸化発酵の調整がしやすく「幻のムーンライト」と呼ばれるほど香り豊かで特別な風味のダージリンを作り出すことができるのです。タルボ茶園やキャッスルトン茶園などが生産している貴重な紅茶です。

グームティー茶園

グームティー茶園はダージリン地方の南部に位置する茶園で、茶園の大部分が北向きという有名茶園の中では珍しい地形を持っています。アッサム種も栽培していますが、標高が高い茶園なので栽培している紅茶の大半を中国種が占めています(中国種の方が寒さに強い)。

年間を通して品質が安定しており、特に春摘みのダージリン「ファーストフラッシュ」の香りに定評があるようです。また、グームティー茶園の付近にある製茶技術を持たない茶園で採れた茶葉の製茶を行なっていたり、茶園の見学も受け入れているなど、懐の深さを感じられる茶園でもあります。

アルバリ茶園

アルバリ茶園は、19世紀前半から続くダージリンで最古の茶園として有名な茶園です。ダージリンの中央西側あたりに位置する小規模な茶園で、従業員・茶園の面積・茶葉の生産量はどれも他の有名茶園には敵いませんが、それでも今なお高品質な茶葉を生産している人気の高い茶園です。

現在ではバイオダイナミック農法を取り入れています。アルバリ茶園は元々じゃがいも畑だったそうで、茶園名の「アルバリ」はネパール語で「じゃがいも畑」という意味です。(※ダージリン地方は、ネパールとインドの国境沿いにあります)

【コラム】オーガニック農法の始祖
バイオダイナミック農法とは、シュタイナーさんが提唱した有機農法で「シュタイナー農法」とも呼ばれます。閉鎖的な完成された農場を理想とし、農場外部からの肥料を使わない農法で、地球上の自然だけでなく宇宙・天体の力をも土壌に還元できるという考えに基づくものです。現代のオーガニック農法はこれに由来すると言われており、ヨーロッパでは「世界最高の有機農法」と呼ばれることもあります。

マカイバリ茶園

マカイバリ茶園はダージリンの南部、先ほど紹介した「グームティー茶園」の近くに位置する茶園です。中国交配種の紅茶をメインに栽培していますがアッサム交配種やクローナル種も栽培している茶園で、ダージリン地方で最初にバイオダイナミック農法を取り入れた茶園として有名です。
フェアトレードにも貢献している茶園で、バイオダイナミック農法や取引方法など様々な面で地球や関係者に優しい茶園です。日本に総代理店「マカイバリジャパン」があるほか、マカイバリ茶園の紅茶はJAS認定を受けているなど、日本との関係が深い茶園です。

カルカッタのティーオークションでは、1990年頃キャッスルトン茶園が複数回に渡って史上最高額を更新したことが有名ですが、2003年にはマカイバリ茶園のダージリン紅茶がその記録を破りました。芯芽の生命力が高まる満月の日に収穫するダージリン紅茶で、今でも「シルバーニードルズ」として生産・販売されています。

アルバリ茶園の「アルバリ」がネパール語で「じゃがいも畑」だと紹介しましたが、マカイバリ茶園の「マカイバリ」は「とうもろこし畑」という意味です。

アッサム交配種・中国交配種とは

アッサム交配種・中国交配種とは

茶園の紹介の中で「アッサム交配種」「中国交配種」という言葉が登場しましたが、これらはお茶の木の品種を意味します。どちらもアッサム種と中国種の茶樹のハイブリッドにあたる品種で、ダージリン地方で栽培される茶樹のほとんどが交配種ですが、アッサム種に近いものを「アッサム交配種」と呼び、中国種に近いものを「中国交配種」と呼びます。

アッサム種と中国種はそれぞれ特徴が違うので簡単に解説します。

アッサム種の特徴

アッサム種は、インドのアッサム地方にルーツを持つ茶樹。暑さに強く大きい茶樹・葉が育つのが特徴で、ゴールデンチップスやシルバーチップスと言われる芯芽を多く持つことが特徴です。葉が大きいうえ、暑さに強く日照りの良い平野で育つため大量生産にも向いています。本場のアッサム地方だけでなくスリランカなどでも栽培される茶樹で、ダージリン地方では特に標高の低い地域(暖かい地域)で育てられていることが多いです。

中国種の特徴

中国種は、中国にルーツを持つ茶葉です。寒さに強く小さい茶樹・葉が育つのが特徴で、繊細な香りを持つのが特徴です。葉が小さいため大量生産には向きませんが、その香りの繊細さはダージリンやキーマン(中国)が世界三大紅茶に認められるほどです。実は日本で育てられているお茶もほとんどが中国種と言われています。

ダージリンが多彩な特徴を持つのは、地形だけでなくアッサム種・中国種が混在していることも1つの理由なのです。現在では、優秀な茶樹をクローニングした「クローナル種」と呼ばれるダージリンにも注目が集まっています。

ダージリン茶園まとめ

今回は、『【第1弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を3つ紹介』に続き、「タルボ茶園」「グームティー茶園」「アルバリ茶園」「マカイバリ茶園」を紹介しました。

品種や農法についても軽く触れましたが、お茶というのは知れば知るほど奥が深い世界ですね!好きなダージリンから自分が好きな品種・茶園なども見つかると、きっとまた紅茶への興味が深まることでしょう。

第3弾では「シーヨック茶園」「オカイティ茶園」といった、第1弾や第2弾で紹介した茶園に匹敵する歴史ある有名茶園などを紹介しています。
『【第3弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を4つ紹介』

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