ダージリンの紅茶を選ぶとき、クオリティーシーズンと同じくらい大切な要素となるのが「茶園」。ダージリン地方にある茶園の数は、実に80以上にも及びます。
この記事では『【第1弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を3つ紹介』・『【第2弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を4つ紹介』に続いて、ダージリン地方で有名な茶園を4つ紹介していきます。
ダージリンは茶園によって香りや特徴が違う
山岳地帯で栽培されるダージリンは非常に繊細な紅茶で、東向きの山で育つのか西向きの山で育つのか、どの時期・タイミングで収穫されるかによって香りや味わいが変化します。
もちろん茶園によって、どのような自然環境なのか、どのような栽培方法・収穫方法を使うかは異なるため、「どの茶園で生産されたか」というのはダージリン紅茶の品質に大きく影響します。
以前の記事で「キャッスルトン茶園」や「マーガレッツホープ茶園」を始めとする合計7つの茶園を紹介したのに続き、この記事では「リシーハット茶園」「セリンボン茶園」「シーヨック茶園」「オカイティ茶園」を紹介します。
以前の記事
→『【第1弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を3つ紹介』
→『【第2弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を4つ紹介』
ダージリンの茶園を紹介
リシーハット茶園
リシーハット茶園はダージリン地方の北西部に位置する茶園で、東西南北の全方位向きに栽培面積を持つ珍しい地形が特徴です。ダージリン地方の中でも比較的大きな規模の茶園で、中国種のダージリン紅茶をメインに、アッサム種やクローナル種の紅茶も生産しています。
東西南北に広がる茶畑の中でも、東向きの日照時間が長く、クオリティーシーズン(旬)が他の茶園よりも少し早いという特徴があります。
リシーハット茶園は国際規格ISOを取得していて、世界的にも信頼された茶園です。また、スリランカの茶園などでもよく見られる光景ですが、茶園で働く人たちのために茶園の中に学校などの施設もあります。
【コラム】茶園の施設
スリランカやインドの一部などの紅茶(お茶)の栽培が盛んな地域では、茶園の中に学校や病院などの施設があることも珍しくありません。学校や病院だけでなく、寺院や図書館があることもあります。茶園によっては休日に小規模なお祭りのような市場が開かれることもあるなど、それぞれの茶園ごとに個性を感じることができます。
セリンボン茶園
セリンボン茶園はダージリン地方の西部に位置する茶園で、東向きと南向きに大きな面積を持つ贅沢な地形の茶園です。ダージリン地方では紅茶だけでなく緑茶も少し生産している茶園はたくさんありますが、セリンボン茶園はウーロン茶も生産することがあり、これはとても個性的です。
バイオダイナミック農法と呼ばれる有機農法を導入していることでも知られており、生産されるダージリン紅茶は優しい味わいだと表現されます。特にファーストフラッシュで、ダージリン紅茶の若々しく爽やかな味わいを活かすことに定評があります。
→バイオダイナミック農法を詳しく知りたい方は、『【第2弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を4つ紹介』で2つ目のコラム「オーガニック農法の始祖」を参考にしてください。
シーヨック茶園
シーヨック茶園は、セリンボン茶園の近くに位置する「オカイティ茶園」と並んでネパールに最も近い茶園の1つです。セリンボン茶園とは位置だけでなく茶園の規模も同程度ですが、シーヨック茶園は大半が北向きという点で特徴が異なります(セリンボン茶園は東向き・南向き)。
シーヨック茶園が生産するダージリン紅茶は、フルーティーな味わいのセカンドフラッシュで有名ですが、ファーストフラッシュの品質でも非常に高い評価を得ています。
シーヨック茶園は有機栽培・バイオダイナミック農法を長年取り入れていることでも有名で、日本やドイツ、スイスなど基準の厳しい国を含めてオーガニック認証を取得しています。
オカイティ茶園
オカイティ茶園はダージリン地方の西部で紅茶を栽培する茶園で、セリンボン茶園やシーヨック茶園の近くに位置します。とても高度な製茶技術を持っていることが有名で、高品質なダージリン紅茶を生産しています。
オカイティ茶園の「オカイティ」という名前の由来も有名で、かつてインド首相がソ連首相にオカイティ茶園のダージリン紅茶を送ったところ “okay tea” と感想を言われたことから茶園名を「オカイティ」に変えたと言われています。
茶園の評価は人それぞれですが、ダージリン地方の中でもトップレベルの茶園だと評価する方もいるほど高品質なダージリン紅茶を生産する茶園です。
ダージリン茶園まとめ
この記事では「リシーハット茶園」「セリンボン茶園」「シーヨック茶園」「オカイティ茶園」を紹介しました。
香りの細部にまで目を向けると奥が深すぎるダージリン。この記事が何かしらの形で参考になれば幸いです。
以前の記事のリンクを貼っておきます。興味があれば読んでみてください。
→『【第1弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を3つ紹介』
→『【第2弾】ダージリン紅茶を育てる有名な茶園を4つ紹介』